2009年3月1日日曜日

戦慄の七日間/Seven Days to Noon

スタンフォード劇場での2本立て、最初の1本は“Seven days to Noon”、邦題「戦慄の七日間」。
1952年度の米国アカデミー賞で最優秀脚本賞(Best Story)を受賞した英国映画。

今回はUCLAのライブラリーの保管されている非常に貴重なニトロ・セルロース・フィルムでの上映でした。



映画のついての解説とストーリーは以下の通り。 (Variety Japanからのパクリ)

【解説】 ポール・デーンとジェームズ・ブランドの原案を、フランク・ハーヴェイとロイ・ブールティングが脚色し、ロイ及びジョン・ブールティング兄弟が製作、監督した一九五○年度作品。ロイ及びジョンは双生児兄弟で独立プロを経営し、「ブライトン・ロック」等の作品がある。撮影はこのプロ付きのギルバート・テイラー、音楽はジョン・アディソンが担当している。主演は「フリイダ」のバリー・ジョーンズ、ダブリン・アベイ劇場のシーラ・マナハン、ブールティング作品に出演していたオリーヴ・スロウン、「舞台恐怖症」のアンドレ・モレルら。他にヒュー・クロス、ジョーン・ヒックソン、ロナルド・アダムらが共演する。

【ストーリー】 ある日、ロンドンのダウニング街の首相邸に、一通の手紙がまい込んだ。送り主は、国立科学研究所勤務の核兵器研究者ウィリントン教授(バリー・ジョ-ンズ)である。この首相あての手紙には、“もしイギリス政府が核兵器の製造を中止しなければ、新開発のU・R・12爆弾を一週間後にロンドンで爆発させる”という教授の意外な主張が書かれていた。半信半疑のスコットランド・ヤード捜査課長フォランド(アンドレ・モレル)が、念のため研究所に連絡してみると、爆弾と教授は、間違いなく行方不明となっていたのである。捜査陣の努力にもかかわらず、教授の行方は皆目わからず、教授の指定した爆発時刻は、次第に近づきつつあった。そして、その日、ロンドン市は非常事態のため、ついに無人の街と化した。

第2次大戦終了5年後という時代背景が、この映画のプロットに妙な生々しさを与えていると思います。  核兵器の開発者が、その廃絶を求めながらも、結果的には自分自身が【核兵器】そのものになってしまう・・・という実に皮肉な展開。  彼は核兵器の愚かさに気付きながらも、もしかすると「自分が開発した兵器を使ってみたい」という、科学者としてのエゴに突き動かされていたのかも知れません。  

核兵器のもたらす悲劇の提示・・、そして科学者の在り方についての問題提起・・・、4年後に制作される「ゴジラ」にも通じるものがあります。  

この映画、核兵器が持ち込まれたロンドン市内が舞台となっており、今から60年前の同市の様子が多く捉えられています。   街行く人々のファッションや通行する車のモデル、ビルに掲示された看板等々、時代を感じさせます。  

映画は【時代の証人】と言えますね。


こちらロンドンの地下鉄のエスカレータです。  60年後の今と殆ど変わっていないことが分かります。

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